結婚相手に求めるものは何だろう?|選択の自由

先月100歳になった祖母は、親同士が取り決めた相手と結婚した。
その相手とは祖父のことなのだが、私が幼いときに亡くなってしまったのであまり記憶がない。
「祖母は祖父と結婚して幸せだったのか?」
自分自身の結婚のことを考えたとき、ふと疑問に思った。

祖母が結婚したころからずいぶん時代が変わり、結婚相手は親が決めるのではなく自分で選べる時代になった。
「どのように結婚相手を選ぶのか?」
結婚の自由は、喜ばしくもあり迷いのはじまりでもある。

愛に導かれて結婚する。
たしかに誰もが夢見る結婚への王道だが、好きだからといってすべて結婚につながるわけではない。
愛だけで結婚相手を選べなかったし、結婚相手に選ばれなかった。
私はどうしたらいいのかわからなくなっていた。

そこで、結婚相談所に入会することにした。
理由は、結婚相談所には入れば結婚できると思ったから。
「私を幸せにしてくれるのは誰?」
「その人はどこに居るの?」
結婚相談所からご紹介されるプロフィールだけの男性の中に、その人は居るかもしれない。

30歳代後半女性の私は自分のことはさておき、お金も時間もかけて婚活するのだから、それに見合う相手と引き合わせてくれると思っていた。
しかし、いつまで待っていても白馬に乗った王子さまはやってこない。

婚活疲れでやさぐれて、思い出した。
塾に入っただけでは成績は上がらなかったし、ジムに入っただけでは痩せなかったことを。
過去にも同じような間違いをしていたと気づいた。

他人まかせでは何も叶わない。
自分で考えて行動し、自らやる気をおこさないと、結婚なんてできやしない。
私を幸せにするのは、今ここに居る私自身。
自分の心持ち次第で幸せにも不幸にもなる。

心底自らの甘さに気づき、あらためて考えてみた。
「どうして結婚したいのか?」

選択の自由|北海道十勝でありのままの自分らしい結婚、婚活に気づく語りあい学びあいの場『結婚学校』

あまり記憶にない祖父のイメージは、祖母が語る思い出話から形作られる。
祖母は、今のことも昔のことも鮮明に話してくれる。
「今が一番いい。」
100歳になった祖母はそう言う。

祖父母の若かりし頃の話を聞いたことがある。
開墾や戦争など困難を極め選択の自由とは程遠い時代のことなのに、それを語る祖母の口調に悲壮感はなかった。
「今が一番いい。」
その時80歳くらいだった祖母はそう言っていた。

「今が一番いい。」
いくつになっても祖母はそう自分に言っていたのかもしれない。
どんな選択であれ、今ここに自分が居る幸せを感じて長い人生を歩んできたのだろう。

「祖父と結婚して幸せだったのか?」
聞いてみたいが、聞いたことはない。
大正乙女の祖母は気恥ずかしさから、耳が遠くなったふりをするような気がするから。

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