働き盛りの仕事人間の夫が定年になったらどうなるのか?|定年後の男の人生
「喫茶店のマスターになったら?」
週末の朝、ふとそう思った。
夫・X氏は、一般企業のどこにでも居そうなビジネスパーソン。
「大勢の人のなかで、夫・X氏を見つけられるかどうか。」
結婚前、密かにコレを心配していた。
典型的で、
あまりにも普通で、
絵にかいたような日本人男性の夫・X氏。
だから、大勢の人に紛れてしまったら、見分けがつかなくなるかもしれない。
そして、もう二度と会えないかもしれない。
それくらい普通な人、夫・X氏。
その普通な彼が、普通ではないくらいの仕事人間。
40歳代半ばともなれば、65歳定年まで20年あまり。
人間いつ生まれていつ死ぬのか誰にも分からないが、人生100歳時代のこのご時世。
定年後、彼はどう生きるのだろう?
「そうだなぁ、どこでもついていくよ。」
冗談めかしに言った夫・X氏と、冗談じゃないと思った私。
ある日、定年後の夫の第二の人生みたいなテレビ番組をたまたま見たときのこと。
それを一緒に見ていた夫・X氏に、定年後はどうしたいのか聞いてみた。
すると、このような答えが返ってきた。
いつも仕事が忙しいオレ。
定年してゆっくりできるようになったら奥さんと一緒に居てあげよう。
きっと喜ぶぞ~
と、夫・X氏は先のことを漠然としか考えていなかったのだろう。
しかも、大いなる勘違いとともに。
正直申し上げると、あまり嬉しくない。
こちらにはこちらの事情というものがある。
いつもいつもだと、一緒に居るのではなく、足手まといと感じてくる。
彼には彼の、私には私の、考えや思いがある。
だから、私は彼の応援団でいたい。
そして、彼は私の応援団でいてほしい。
ただの依存は、共依存。
自立あっての依存は、相互依存。
お互いを認め合って自立しているからこそ、一緒に居られるのだ。
週末の朝、夫・X氏が淹れてくれるコーヒーを飲みながら、ふとそう思った。