誰でもできる自分も相手も幸せになる古の教え|笑顔の女神さまはこの街に住んでいる

週末、パニックになる出来事があった。
不注意にも、スーパーマーケットにバッグを置き忘れてしまったのだ。

用事を済ませた後、そこから近いあまり行き慣れないスーパーマーケットで買い物をした。

その日は、どんより雨降り。
買い物を終え、店を出て駐車場に停めている自分の車に向かって歩く。
傘をさし、もう片方の手には買い物袋を提げて。

自分の車の前で、ハッと気づく。
「バッグが無い!」

車のドアを開けようとしたとき、カギのことを思い出す。
カギはバッグの中。
???
その時はじめてバッグをスーパーマーケットに置き忘れたことに気づき、猛ダッシュで走り出す。

猛ダッシュしながら、走馬灯のように記憶が駆け巡る。
バッグは、買い物カートに掛けたままだ!

買い物中、バッグが煩わしいので買い物カートに掛けていた。
買い物を終えて、傘と買い物袋で両手いっぱい、考え事をしていて不注意な私は手一杯。
すっかりバッグのことを忘れていた。

駐車場から店までの数十秒は、永遠に思えた。

「どうか、バッグがありますように!」
ずらっと何列も並ぶ買い物カートを必死な形相で見る私。
しかし、ほんの少し前に戻したであろう買い物カートには、何もなかった。

「バッグ忘れた方ですよね?」
どこからか、女性の声が聞こえる。

頭が真っ白になっていた私が、その声で我に返った。

「バッグはサービスカウンターに届けましたから。」
そう目の前にいる女性は笑顔でおっしゃった。

きっとタダならぬ雰囲気だったので、バッグを忘れたのは私だとわかったのだろう。

言葉が出なかった。
何度も何度も頭を下げて、サービスカウンターに向かった。
人は心から安堵すると言葉にならない。
このことを身をもって知った。

サービスカウンターで忘れたバッグを受け取ると、徐々に思考回路が正常化。

そう言えば、目の前にいた女性はどなただろう?

この街に住んでもうすぐ6年になる。
誰も知らないこの街で、知らない人に沢山助けてもらった。
そして、この街で知り合った人々に沢山助けてもらっている今がある。

笑顔の女神に出会い、住み始めたばかりの日々をふと思い出した。

スーパーマーケット|北海道十勝でありのままの自分らしい結婚、婚活に気づく語りあい学びあいの場『結婚学校』

昔々読んだ本に、こんな言葉が書いてあった。

「無財の七施(むざいのしちせ)」

お金がなくてもできる七つのお布施(ふせ)。
お布施と聞くと、幾ばかりか金品をお渡ししなくてはいけない気がするのだが、なんとタダ!

タダより高いモノは無いというが、それって大丈夫ですか?
後から高額請求されるとか、ヤバい勧誘の入り口とかではないですよね?

まずはこの点を確認しておかねば。
疑り深い私は、「これって、イイですね~」とはすぐには言わない。

結論から申し上げると、いかがわしいものではない。
むしろ、素晴らしい行為。

仏教の教えで、誰でもいつでもできる思いやりのこと。

この七つの思いやりとは、

眼施(がんせ)…いつも温かい眼差しで人に接する。

和顔施(わがんせ)…いつも笑顔で人に接する。

愛語施(あいごせ)…ときには優しくときには厳しく、愛のある言動で人に接する。

身施(しんせ)…困った人を見たら助けてあげる。世のため人のために奉仕する。

心施(しんせ)…ともに喜びともに悲しむ人の心に寄り添うことや、感謝を伝えたり気遣いなどの心を配ること。

床座施(しょうざせ)…席や場所を譲る。

房舎施(ぼうじゃせ)…訪ねてくる人がいれば一宿一飯の施しを行い労をねぎらう。雨風をしのぐ所を提供する。雨の日に傘をお貸しするのは、すぐにできる一例。

結局、あの笑顔の女神は、どこのどなたか分からずじまい。
だから、私はどこかの誰かに思いやりをお渡ししよう。

世界はつながっている。

それが巡り巡って、あの目の前にいた女性のもとへステキなことがやってくると願って。

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