独身男女が結婚したいと思った瞬間|風邪の功名
「風邪で寝込んだとき」
このとき結婚を考えたと、ある男性は言った。
元気があれば何でもできる!元気と若さでガンガン邁進。
なのに、風邪をひいてしまった。人間だもの。
悪寒が止まらないし、だるい。
とりあえず寝ることに。
次第に、高熱で頭は朦朧。身体は気怠く汗だく。
しかし、何もない。
頭を冷やす氷のうも、薬も。
冷蔵庫には体に良さそうな食材も、それを料理する気力も。
ただ、風邪をやり過ごすしかない。
ふと人恋しくなる。
「そのとき、そばにいてくれた人」

「失恋して話を聞いてもらっているうちに」
いつの間にか結婚を考えていたと、ある女性は言った。
恋が終わった。
ずっと続くと思っていたのに。
癒えない心の傷。
寂しさ、切なさ、悲しさ、・・・いつまで続くのだろう。
次第に、そのひとつひとつの感情が言葉になってあふれてくる。
しかし、抱えきれない。
自分の心の中だけでは。
親身に話を聞いてくれる友達に、いつまでも甘えてはいられない。
とは分かっているけど。
ふと人恋しくなる。
「そのとき、とことん話を聞いてくれた人」
身体も心も元気なときは、気づかなかった。
風邪をひいたおかげで、
失恋したおかげで、
ホントに大切なことに気づいた。
ほっとする優しさ。
その優しさをくれる人が、こんなに近くに居ることを。


