マリッジブリー あるカップルの結婚の不安解消ストーリー|ハレの日の縁起の悪い出来事
嵐を呼ぶ女。二宮 翔子。
嵐と言えば・・・
どこかで聞いたことがあるような名字と名前の組み合わせだが、仮に彼女をこう呼ぶことにする。
彼女との運命的な出会いから、結婚することになった潤也(こちらも仮名)。
今日は二人にとって特別な日、結婚式。
親兄弟、親族、友人、同僚など、
翔子と潤也の周りの人々がこの日を心待ちにしていた。
そして、二人も。
いつもより早く目が覚めた。
カーテンを開けると、空はどこまでも快晴。
地球も二人を祝福してくれているようだ。
二人の荷物を詰め込んだキャリーバッグをトランクにいれて、
二人をのせた愛車は結婚式場へ走る。
「どうしてこんなに硬い持ち手が壊れたの?ハレの日なのに。」
無音なのに、バギッと音が聞こえそうな振動を手に感じた。
式場の駐車場に到着し、潤也がキャリーバッグを持ち上げるとプラスチックの持ち手が折れた。
翔子と潤也は、神父の前で愛を誓い、結婚証明書に署名した。
緊張と歓喜と感動が入り混じり、挙式はあっという間だった。

「どうして結婚証明書の日にちが間違っているの?ハレの日なのに。」
ふと結婚式の写真と結婚証明書をながめていた。
驚きと平穏と発見が入り混じり、結婚式からの1か月はあっという間だった。
「本当にこの人でいいの?」
彼との運命的な出会いから、結婚することになった翔子。
現実となる結婚。
喜びとともに、襲ってくる漠然とした不安と憂鬱。
ゲンを担いだ大安吉日の挙式当日、
キャリーバッグの持ち手が折れ、結婚証明書の日にちが間違っていて、縁起の悪い出来事ばかり。
こうなったら、もう笑うしかない。
ふと横を見ると、潤也も笑っていた。
これからも良いことも悪いことも起こる。
きっと二人なら、笑いながら乗り越えられるだろう。
漠然とした不安と憂鬱は、どこかへ消えていった。


