夫婦・人間関係の価値観の違いを見つめ直す物語|理性と感情

あるところに居るある2人のお話。

2人の名前は知らないので、こう呼ぶことにする。
1人は器用で勤勉、何でもできる【理性】
もう1人は素直で一生懸命、できることもあるができないこともある【感情】

ある日、【感情】は【理性】にこんな質問した。
「【理性】は何でもできてイイな~。
どうしたら【理性】みたいに何でもできるようになるの?」

【理性】はこう答えた。
「簡単なことさ。マニュアルどおりにやればいいのさ。

機械なら取扱説明書、運転免許を取るなら教則本、
料理や裁縫は実用書、恋愛や人の心はハウツー本。

世の中のどのようなこともマニュアルがある。
絵画も音楽もスポーツも、
どのようなこともマニュアルどおりにやれば、お手のモノさ。

昔々の人も法典どおりに生活してさえいれば幸せだし、
今だって学校には教科書という世の中のマニュアルがあるから、
それに則って良い点数を取れば、上手くやれるのさ。」

「そうなんだ・・・わかったよ。」
と【感情】は言ったけど、心の中はモヤモヤしていた。

相変わらず【理性】は何でもできた。マニュアルどおりに。

【感情】も一度は【理性】の言ったようにマニュアルどおりにやってみたが、
上手くはいかなかった。
「やっぱり自分はダメな人間なんだ」と【感情】は悲しくなった。
歌うかえる|北海道十勝でありのままの自分らしい結婚、婚活に気づく語りあい学びあいの場『結婚学校』
そこへ、誰かが歌いながら歩いてきた。

「なんてステキな歌声なんだ!
どうしたらあなたみたいにステキな声で歌えるようになるの?」
【感情】は悲しい気持ちがどこかに飛んで行ってしまうくらいステキな歌声の人にこんな質問した。

ステキな歌声の人はこう答えた。
「よく分からない。教えてあげたいけど、自分でも分からないの。
歌が大好きで、いつもいつも歌っているだけ。

キミも歌が好きなら一緒に歌おうよ。」

こうして【感情】はステキな歌声の人と一緒に歌い始めた。
今日も、明日も、あさっても、そのまた次の日も・・・

時が経ち、【理性】と【感情】がばったり会った。
マニュアルを読んでいる【理性】と、歌いながら歩いている【感情】。

「なんてステキな歌声なんだ!
どうしたら【感情】みたいにステキな声で歌えるようになるの?」
【理性】は【感情】にこんな質問した。

【感情】はこう答えた。
「よく分からない。教えてあげたいけど、自分でも分からないの。
歌が大好きで、いつもいつも歌っているだけ。

そう言えば・・・
マニュアルを読んでいないのに、どうして歌えるようになったのだろう?」

もっと時が経ち、2人は気づいた。

マニュアルには書かれていない大切なことを。

歌う前にお客さんを見渡して心の中でありがとうとつぶやいている姿、
お客さんの好きな歌をうたう気遣い、
歌を聞いているとこちらもウキウキ楽しくなってくる。
言葉で教えてもらったわけじゃないけど、一緒に居て分かった。
それが【感情】がステキな歌声の人から教えてもらったこと。

そしてもうひとつ気づいた。
【理性】と【感情】は、どちらも欠かせない存在だということを。

違うから面白い。
違うから補える。
2人がいい塩梅に力を合わせて協力してこそ、上手くいく。

【理性】と【感情】の2人は、
マニュアルとステキな歌声の人から教えてもらったこと
そして2人の創意工夫を掛け合わせて、もっともっと歌が上手になったとさ。
~~~おしまい~~~

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